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- 終らない震災〜被災地で露呈する人間のきたない本質を隠し、美談を振りまくメディアの罪(1/2) | ビジネスジャーナル (via clione)
自衛隊が初めて風呂を設置してくれたタイミングで、避難所に一泊するつもりでしたが、2時間ほど滞在するのがやっとでした。現場の緊迫感が、尋常じゃなかった。避難所の人たちは、「よく来てくれたな」と歓迎してくださったんですが、お年寄りたちが、まったくまばたきをしないんです。津波から命からがら逃げてきた緊張と、また大きな揺れが来るかもしれない恐怖で。まだ余震も、すごかったですから。長い人生経験を積んでこられて、悠然としているはずのお年寄りが、まばたきもできないほど現実に打ちのめされている……そんなところに、とてもじゃないけど、よそから来た僕が一緒に過ごすなんて、できませんでした。
テレビや新聞では「避難所では食事の配給時に、みんながきれいに列をつくって誰も乱さなかった、日本人は礼儀正しい」とか言われてましたけど、あんなのメディアつくった嘘です。一枚のせんべいをめぐって、いい大人が殴り合いしたり、しょっちゅう置き引き被害も起きていました。避難所の中では震災前の仕事や住んでいた地区などで、嫌らしいほど格差があったし、家を失った人たちを狙った詐欺師も、うようよ現れました。「日本人の心はみんな美しい」とか、「絆でひとつに繋がろう!」とか、耳障りのいい言葉だけで震災をとらえたらダメです。見つめなければならない、被災地における汚い人間の本質がぼやけてきます。
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