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名大と東大、「能面」が多様な表情に見えるのは「情動キメラ」が理由と解明
名古屋大学(名大)と東京大学は、古典芸能で使う「能面」が多様な表情を見る側に想起させるのは、能面の各顔パーツが異なる情動を表現している「情動キメラ」であることが原因であり、こうした「情動キメラ」からの表情判断は、主に口の形状に基づいてなされることを示したと発表した。
今回の研究は、能面を表情刺激提示として使用した場合、顔のパーツによって異なる刺激を提示する「情動キメラ」となっており、そうした「情動キメラ」から表情を読み取る時には、口の形に基づいて、その表情が判断されることが明らかにされた。
日本人は表情を見る時に口元を見ないとこれまでの研究ではいわれてきた。下向きの能面の口元が笑顔のようになるということは、能の場面では悲しみを表現する動作(曇らす)の中で、あえてあまり見られないであろう口では逆の感情を示す笑顔を提示しているということになる。