今から30年近い昔(1980年代の初め)、山梨のベンチャー企業を取材したときにこんな話を聞いた。
そこは、主にカスタムCPUの設計・製造を受注し、生産している工場だった。1番高い製品は7000万円ぐらいの値段になるという。CPU1個がなぜそんなに高価になるかというと、量産しないことと、製造後の歩留まりの悪さだ。それこそ何十回と同じものを作って、やっと発注の基準をクリアできるものが仕上がるのだそうだ。
しかし、できあがったものは、たった数センチ角のCPU1個である。アルミトランクにでも入れて営業マンが納品すればそれで済む。
「でもね」、と広報担当者は続けた。「現場がそれを許さないんですよ。何十人がかりで徹夜もいとわずに作り上げたものが、そんな扱いをされるのは我慢できないという訳です。皆で話し合った結果、CPUを桐の箱に入れ、10トントラックの荷台の真ん中に固定して納品先まで運ぶことにしました。もちろん、トラックが出発するときは社員全員で見送っています」。
経費はかかるけれど、この「儀式」がなければ現場の士気は落ちてしまうのだろう。やはり人間は目に見える形で成果がほしいのだ。
このことは製品の買い手側にもいえるだろう。営業マンがトランクから取り出した小さなチップが7千万円ですといわれても、感覚としてにわかに納得し難い。そこは10トントラックが横付けされ、荷台の観音扉がゆっくリと開かれ、奥から白衣のエンジニア2人に恭しくささげ持たれた桐の箱、「これが7千万円の中央演算処理装置でございます!」という演出のほうがしっくりくるのが普通の感覚というものだ。
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矢野渉の「金属魂」Vol.8:Pentium & Pentium Proに見るCPUの品格 - ITmedia +D PC USER
2010-02-04
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