観光バスの値段をいすゞで見ると、3000万円から4000万円といった値段のようです。このバスを6年乗るとすると、年間500万円の償却費となります。3000万円で購入して6年後の中古下取り価格を0円とみてもよいし、3500万円で購入して6年後の下取り価格が500万円でもよいです。ま、概算としてはこんなもの。バスが年間250日稼働できるとすれば、1日当たりの償却費は、2万円ということになります。ディーゼル燃料代は、リッター4キロ台と出てきます。高速道路が中心なら6キロで計算してもよいかもしれません。先般の事故の金沢~東京だと670キロだかの運転手2名の基準には該当しないというニュースがあったので、600キロとして、100リットルの燃料を使います。このディーゼル燃料は、最近ではガソリンとあまり変わらない値段だそうで、1リットル120円としましょうか。そうすると金沢~東京で12,000円かかるということになります。運転手の日給が15,000円だと月間20日働いて30万円。夜間手当も込みだと考えると、こんなもんでしょうか。高速代がわからないのですが、自家用車なら10,850円という検索の答えが出てきたので、バスなら2万円といったところでしょうか。
以上をすべて足しこむと償却費+燃料代+給与+高速代=67,000円となります。これに対して売り上げはどれくらい得られるでしょうか。楽天トラベルで東京~金沢間5月6日発の夜行で調べると3,900円というのが最も安い。20人乗れば、78,000円ですから、1万円ほどの利益が出ます。しかし、楽天などツアーの販売事業者への手数料、バス会社の利益、ツアーの主催会社の利益の総額が1万円ほどということでは、実質利益は出ません。当然、運転手を2名にしろといった規制が出てくれば、3900円の料金自体が不可能なものとなります。逆に言えば、危険と隣り合わせの3900円なのだということを理解すべきです。
”- 長距離バスの原価計算: 佐久間裕幸の談話室 (via clione)